カルシウムが骨を丈夫にすることはよく知られていますが、実はダイエットでも重要な役割を担っていることはご存知でしょうか。ダイエットでとにかく脂肪の蓄積を抑えるために食事制限に励むことよりも、カルシウムの重要性を理解して十分に摂取することが大切です。今回は、カルシウムとダイエットの関係性や、カルシウムの1日の摂取量を満たすためのヒントをご紹介します。
目次
カルシウム不足は太る原因
カルシウムの摂取量が不足していると、身体は体内のカルシウムをできるだけ一定に保とうとします。そのため脂肪の中に含まれるカルシウムが使われるのですが、脂肪内のカルシウムには、脂肪のもととなる脂肪酸合成酵素を増やす働きを持っているのです。よってカルシウムが不足すると脂肪が増えやすい状態に陥ってしまいます。
また、脂肪からカルシウムを補ってもまだ不足している場合、体脂肪がつきやすい身体になってしまいます。
骨を作るために必要とされるカルシウムですが、ダイエットにおいても太りやすい身体にならないように、カルシウムの摂取は欠かせません。
カルシウムが増えれば痩せやすくなる
では、逆にカルシウムの摂取量が多いとどのようなダイエット効果があるのでしょうか。
脂肪の吸収を抑えられる
脂肪の増加を防ぐためには、十二指腸で分泌される「肝汁酸」の働きを抑えることです。肝汁酸は脂肪を分解してエネルギーに変えていきますが、エネルギーとして使われなかった脂肪は、肝臓で中性脂肪になり脂肪細胞に蓄積されます。
十二指腸で胆汁酸がカルシウムと結合すると石鹸化が起こり、脂肪は小腸から吸収されなくなるため、脂肪が蓄積されにくくなるのです。
代謝がアップする
カルシウムを摂ることで、カロリーを燃焼させるために必要な代謝をアップさせることもできます。カルシウムは体温を上昇させる効果を持っており、体温が上昇すると新陳代謝が活発になり、カロリーが消費されやすくなるのです。
体温が1℃上昇すると、基礎代謝量が15%ほど上がると言われています。基礎代謝は何の動作を行っていなくても消費されるエネルギー量のことを指します。基礎代謝がアップすれば、運動をしていなくてもより多くのカロリーが燃焼されていくのです。
便秘が解消される
便秘が続くと余計な栄養が体内に残ることで、脂肪が蓄積され太りやすくなってしまいます。カルシウムは腸内に溜まった脂肪を捕らえ、便として排出する役割を担っています。
便秘がちでダイエットをしてもなかなか体重が減らないという方は、カルシウム不足が原因かもしれません。
また、便が排出されて腸がきれいになると、肌荒れの解消にもつながります。
1日どれくらいカルシウムを摂取すればいいの?
平成14年の国民栄養調査結果によると、20代の男性で平均471㎎、女性では平均458㎎しか摂取していません。厚生労働省では、日本人の成人が1日に必要なカルシウムの量を700mgと定めています。日本人は慢性的にカルシウムが不足している状態なのです。
カルシウム不足は骨粗鬆症や高血圧、動脈硬化などの引き金になることがわかっています。病気の予防はもちろん、ダイエットを成功させるためにも、毎日推奨されたカルシウムの量を確保することが大切です。
カルシウムを多く含む食品
ダイエットで効率良く脂肪の吸収を抑えるために、カルシウムを多く含んだ食品を積極的に食べることが大切です。こちらでは、カテゴリ別にカルシウムを多く含む食品をご紹介します。
※すべて食品100gあたりのカルシウム含有量です。
乳製品
乳製品は食品の中でもカルシウムの含有率が高く、特に乳類はカルシウムの吸収率も高いとされています。
・アイスクリーム...14mg
・ヨーグルト...120mg
・普通牛乳...110mg
・チェダーチーズ...740mg
・プロセスチーズ...630mg
・ブルーチーズ...590mg
・カマンベールチーズ...460mg
干物・乾物類
魚介類を乾燥させたものは、カルシウムが豊富な骨まで丸ごと食べることができるため、少しの量でも多くのカルシウムを摂取することが可能です。乾燥させることで水分がなくなるため、カルシウムの濃度が高くなります。
・干しエビ...7100mg
・煮干し...2200mg
・しらす干し...520mg
魚介類
魚介類では骨まで食べられる魚が、多くのカルシウムを摂取するのに向いています。缶詰の魚であれば、硬い骨も柔らかくなって食べやすくなっているのでおすすめです。
・たにし...1300mg
・どじょう...1100mg
・わかさぎ...450mg
・ししゃも...360mg
・いわしの缶詰...320mg
野菜類
カルシウムは魚介類や乳製品に多いと思われがちですが、一部の野菜からでも多く摂取できるのです。
・パセリ...290mg
・バジル...240mg
・モロヘイヤ...260mg
・大根の葉...260mg
・小松菜...170mg
カルシウムをサプリで補おう
カルシウムの多い食品を食べたとしても、推奨されているカルシウムの量を毎日補うことは大変です。サプリメントなら、毎日一定の量を摂るだけで足りないカルシウムの量を確保することができます。
カルシウム&マグネシウム (サントリー)
1日4粒で300mgのカルシウムが補えるサプリメントです。カルシウムはそのままでは吸収されにくいのですが、「カルシウム&マグネシウム」にはカルシウムの吸収率を高めるために牛乳由来のCPP(カゼインホスホペプチド)とビタミンDを配合しています。
粒の直径が8mmと小粒タイプなので、のどに突っ掛かることなく楽に飲むことができます。
「カルシウム&マグネシウム」の通常価格は120粒(1ヶ月分)で1,080円(税込み)です。
ザ・カルシウム バニラクリームサンドイッチ (大塚製薬)
カルシウムが豊富なウエハースです。1袋(2枚)でカルシウムが600mgと、1日に必要なカルシウムの大半を補うことができます。カルシウムの吸収率が高まるように、ビタミンDも配合されています。バニラ味のほかにもストロベリー味とチョコレート味もあり、おやつ感覚で楽しめるのでおすすめです。
40袋で販売価格が3,040円です。1日あたり76円と、お手頃価格でカルシウムが摂取できます。
カルシウムはダイエットや美容、健康に必要不可欠!
カルシウムは単に骨を形成するだけでなく、脂肪の吸収を抑える役割も担っています。ダイエットに励んでいる方は、1日に必要なカルシウムの量は進んで確保したいものです。
カルシウムが不足すると太りやすくなるだけでなく、病気にもなりやすいですし、イライラなど精神的な不安定にも繋がります。カルシウム不足で肌の老化が進むことだってあるのです。
ダイエットや美容、健康などあらゆる側面で欠かせないカルシウムを、食べ物やサプリメントで積極的に補ってくださいね。